台湾人に響くインバウンドマーケティング対策

コロナ禍後､観光地で外国人を見かける光景が日常に戻りつつあります｡現在の日本の観光業界において､訪日観光客を効果的に引きつける戦略は欠かせません｡本記事ではまず､インバウンドマーケティングとは何かを説明し､続いて台湾人観光客の特性や嗜好を理解し､それを踏まえてどのような戦略が有効かについて探し出します｡また､具体的な方法も紹介します｡

インバウンドマーケティングとは？

インバウンドマーケティングは「インバウンド」における「マーケティング」です｡インバウンドとは､観光業界では「海外から訪れる外国人」のことを表した言葉ですので､インバウンドを集客したい場合､外国人目線でのリサーチや多言語への対応が非常に重要です｡

そのうえでのインバウンドマーケティングというのは､外国人目線で実行したマーケティングのことです｡インバウンドマーケティングを行うには､まずどの国の人を集客したいのか､どの客層の人なのかを考えなければなりません｡

訪日台湾人400万人！観光地がやるべきことは？

2023年日本政府観光局（JNTO）「2023年各国・地域別の内訳」の資料から見ると､訪日外国人数の上位は､一位韓国（28％）､二位台湾（17％）､三位中国（10％）です｡今日は､二位の台湾について記事で詳しく述べます｡

台湾の訪日客数は毎年400万人もいます｡韓国の次に､インバウンドマーケティングを行うべきなのが台湾でしょう｡台湾人観光客を集客したいなら､台湾人のニーズや好みを把握する必要があります｡本記事では､日本によく行く台湾人をターゲットに設定し､分析して行きましょう！

台湾観光客の分析

観光庁の2023年度の訪日外国人の資料によりますと､台湾の観光客数はすべての国籍､地域のランキングの中で第二位で､4,127,407人に達しました｡一人当たりの旅行費用は189,116円で､2019年度より59.9％成長しました｡つまり台湾人が日本に訪れる意欲も､消費する意欲も高いと考えてもいいでしょう｡

そんな台湾人観光客にはどのような特徴があるのでしょう｡

■ 訪日台湾観光客の特徴

1. 日本文化への憧れ

日本のアニメや漫画､音楽といったサブカルチャーが人気を誇っています｡日本文化に対する関心が非常に高い台湾の観光客なら､何回も観光地巡りや文化体験を楽しむために訪日します｡

2. リピーターが多い

この図表のように台湾の観光客は､日本に何度も訪れるリピーターが多いのが特徴です｡

▲ 2023 年観光庁年次報告書訪日外国人の消費動向（30ページ）

3. 購買意欲が高い

2023年の訪日外国人旅行消費額の上位は､一位台湾（14.8％）､二位中国（14.3％）､三位韓国（13.9％）です｡訪日外国人の割合では､台湾人が二位だったのですが､消費額では一位です｡つまり一人一人の消費力が高いということです｡

▲国・地域別訪日外国人消費額：観光庁訪日外国人消費動向調査よりAllez作成

4.日本ならではの景色に興味深い

台湾人は日本の四季折々の風景や季節限定の祭りやイベントを楽しめたいゆえ､どの季節でも訪日する人が多いです｡さくらの花見や京都の葵祭など､季節ことに楽しめる景色や祭りを見るために訪れる人は少なくないでしょう｡

どうすれば台湾集客ができますか？

台湾観光客を集客するためには､言語に配慮し､観光客のニーズに合ったサービスや情報を提供することが重要です｡繁体字での情報発信､インフルエンサーを活用したプロモーション､口コミの拡散などを通して､日本の魅力を効果的に伝えることで､より多くの台湾観光客が集まるでしょう｡

■ 台湾人が旅行する前､情報収集での検索習慣

観光庁が海外観光客に調査した資料によると出発前に得た旅行情報源で役に立ったものは､「動画サイト」（35.2％）､「SNS」（32.5％）､「個人のブログ」（27.4％）です｡また､いくつかの傾向があります｡

1. ネット掲示板を重視

台湾の旅行者は､PTTやDcardなどのネット掲示板でほかの旅行者の意見や体験談を確認することが多いです｡特に､実際に訪問した人の評価や写真を参考し､宿泊施設や観光地､レストランなどの選択を行います｡

2. SNSを活用して旅行情報を収集

台湾では､Facebook､Instagram､ThreadsなどのSNSが広く利用されており､旅行先の情報を集める際にも活用されています｡台湾人はSNS上で人気の観光スポットや体験､食べ物などの投稿を見て､行き先を検討します｡また､YouTubeでの旅行Vlogや現地ガイド動画も､旅行計画の参考にされています｡

3. インフルエンサーの影響が大きい

台湾の旅行者はインフルエンサーやブロガーの影響を受けやすく､特にInstagramやYouTubeで活躍している人気のインフルエンサーが紹介した観光地やホテル､レストランに関心を示す傾向があります｡

4. 予約サイトでの情報収集

台湾では､KlookやKKdayなどの予約サイトで情報収集や予約を行うのが一般的です｡特にツアーやアクティビティを検索したり､チケットを購入したりします｡これらのサイトとコラボすることで､より台湾観光客を呼び寄せることができると見られます｡

あなたの商品・サービスの客層に応じて選択

どんなに良い商品でも､必要と感じる人とそうでない人がいます｡例えば､商品がサプリメントの場合､若者よりも年配の人の方が買いたいと思うのでしょう｡そのため､自社の商品やサービスがどの客層や年齢層に好まれるのかを正確に把握し､それに基づいてターゲットを絞った広告や宣伝を行うことが効果的です｡

さらに､プラットフォームごとに利用者の年齢層や性別の構成が異なるため､広告や宣伝を行う際には適切なプラットフォームを選ぶことが重要です｡各国で一般的に利用されているツールや､ターゲットとする客層が頻繁に利用するプラットフォームを選ぶことで､効率よくリーチすることができます｡

特に台湾では､プラットフォームごとに利用者層が異なるため､それぞれの特徴を理解した上で戦略を立てることが重要です｡以下の表では､台湾におけるプラットフォーム別の客層の違いをまとめています｡

台湾人インバウンド集客の代表的方法3選

1. 公式サイトに台湾人向けの繁体字で！

インバウンドにおける大きな問題､それは言語の壁です｡観光客にとって､海外に行きたいと思っても､その国の言語が理解できないために不安を感じ､行くことを躊躇することがよくあります｡台湾人観光客を誘致するためには､アクセスしやすい環境を整えることが不可欠です｡

台湾で使用されている言語は中国語の繁体字であり（簡体字ではありません）､公式サイトや案内表示を繁体字に対応させることが効果的です｡これにより､情報がより理解しやすくなり､訪問のハードルを下げることができます｡

2. 公式サイトやSNSに商品やサービスの写真と動画をアップロード！

インターネット時代と呼ばれる現代では､店舗や観光スポットを訪れる前に､事前にネットで情報を検索することが当たり前の行動となっています｡そのため､公式サイトや公式SNSに商品やサービスの情報を掲載することは､単なる情報提供にとどまらず､効果的な宣伝手段として機能します｡検索の過程でユーザーがあなたの商品やサービスを目にすれば､実際に購入や利用へとつながる可能性が格段に高まります｡

視覚的に魅力的な写真や動画を活用することで､観光客の関心をさらに引きつけ､選ばれるきっかけを作ることができるでしょう｡

3. インフルエンサーにPRしてもらう！

同じ広告やPRでも､誰が紹介するかによって､その効果は大きく異なります｡公式サイトや会社のスタッフが発信する情報は､単なる広告と受け取られがちです｡しかし､消費者自身が好きな芸能人やインフルエンサーが紹介した場合､親近感や信頼感が大きく向上します｡

特にインフルエンサーを活用したPRは､芸能人に依頼するよりもコストを抑えられるだけでなく､テーマやジャンルごとに専門性を持つインフルエンサー（例：グルメ､旅行､美容など）を選ぶことで､ターゲット層に対してより効果的にアプローチすることが可能です｡これにより､従来の広告ではリーチできなかった新規顧客層を獲得することができます｡

▲ Matter Communicationsの研究によると､６１％の消費者は共感できるインフルエンサーのコンテンツが一番興味あると示しています｡

さらに､インフルエンサーの選定においては､彼らが活動するプラットフォーム（Instagram､YouTube､TikTokなど）の特性やユーザー層も考慮する必要があります｡これらを踏まえ､より効果が期待できるインフルエンサーを選び､戦略的にPRを依頼することが成功へのカギとなるでしょう｡

インバウンドマーケティングで得られる成果は？

1. 台湾人観光客のアクセス向上

公式サイトを繁体字対応にすることで､台湾人観光客が情報にアクセスしやすくなります｡ユーザーがサービスや商品の詳細を理解しやすくなり､興味を持つ可能性が高まります｡

2. 視覚的訴求による認知度アップ

公式サイトやSNSで写真や動画を積極的に活用することで､視覚的に魅力を伝えることができます｡特に観光や飲食の分野では､ビジュアルの効果が購買意欲に直結します｡

3. 信頼性高いPRによる購買行動の促進

インフルエンサーを活用することで､ターゲットに親しみやすく､信頼感のある情報を届けることができます｡特に台湾人観光客は､SNSや口コミを重視する傾向があり､インフルエンサーの紹介が購買行動に強い影響を与えます｡

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